こんにちは、Gucci(@men_in_fashion_blog)です。
スペインの高級革靴ブランド カルミナ(CARMINA)の名作ラストといえば、”RAIN”が真っ先に思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
RAINは、イギリス靴の質実剛健さとイタリア靴のエレガントなスタイルを良いとこどりをしたバランスの取れた良靴です。
この記事では、カルミナの代表ラスト レイン(RAIN)のメダリオントゥシューズのレビューをしていきます。
- カルミナ レインの特徴を知りたい
- カルミナ レインの使用用途は?
- カルミナ レインの魅力はどういったところ?
カルミナ(CARMINA)とは
カルミナは、
マティアス・プハーダス氏が1866年にスペインのマヨルカ島で設立した、小さな靴工房から起源を遡る歴史ある高級靴メーカー
です。
1961年に創業者の孫にあたるホセ・アルバラデホ・プハーダス氏によって、スペインで有数の靴メーカーに登りつめ、1997年にホセ氏は妻と子供達と新しい高級靴ブランド「カルミナ」を立ち上げます。
ブランド名の由来は、世界に通用する靴を作る事を掲げ、最愛の夫人の名前からとったものです。名前の由来1つとっても素敵ですよね。
カルミナ(CARMINA)は、
・デザイン性の高さ
・仕上げの美しさ
・履き心地の良さ
世界中の愛好家から定評があり、その靴のクオリティは英国の高級靴に匹敵すると認知されています。
また同社のグッドイヤーウェルト製法の靴は、英国靴の製法と同じではあるものの、他には無いエレガントなスタイルの靴を作る事ができることに特徴があります。
カルミナ レイン(RAIN)とは
レイン(RAIN)は、同社の多くのモデルに採用される、評価の高い定番ラストです。
内羽根ストレートチップやホールカットといったドレスモデルから、モンクストラップやウイングチップ、チャッカブーツなどにも使われています。
特徴は、低めの甲とセミスクエアトゥ。
ヒールからウェストまでは小さめで、足全体に心地よいフィット感を感じられます。
エレガントな表情とカジュアルな雰囲気を兼ね備えるオールマイティなラストデザインです。
カルミナ レイン(RAIN) レザーの種類
次に、レインに採用されるレザーの種類についても触れておきましょう。
選択する素材によって、同じレイン ホールカットでも異なる雰囲気や印象になり、使えるスタイリングの範囲も変わってきます。
ボックスカーフレザー
ボックスカーフレザーは、ワインハイマー社とアノネイ社から調達した最高品質のカーフレザーのみを使用する最も人気のあるレザーの1つです。
エージングによりさらにツヤが上がることで経年変化も楽しめます。
デマスカブレ
仮面を剥がすという意味の「デマスカブレ」は、タンナー・アノネイ社の高品質フルグレインカーフレザー。こちらの素材はレザーにブラッシングをして色を落とし、特殊な素材を用いてアンティーク調のムラ感を演出。
職人さんが一足ずつ時間を掛けて手作業で仕上げられる事で、この味わい深い独特な風合いが生まれます。
コードバン
シェルコードバンは上質な紳士靴の定番素材ですね。
光沢のあるこちらの素材は滑らかな手触りで、経年変化とともに非常に美しいツヤが出てきます。
“シェル”という名前が付くコードバンは非常に希少であり、現存する世界でわずかな工場の中で最も有名なシカゴに本拠を置くホーウィン社のものを使用しています。
スエード
ドレスカジュアルの定番素材スエードは、レザーの裏側を毛羽立ててつくられることで有名ですね。
ドレスダウン要素が強いので、ジャケパンやカジュアルスタイルにおすすめです。
スエード素材は、日々のお手入れが簡単で、梅雨時期も活躍してくれるところも嬉しいところです。
カルミナ レイン(RAIN) のレビュー
それでは、手持ちのレイン メダリオントゥ(ボックスカーフレザー素材)を使って、デザインや機能面からレビューしていきます。
エレガントなドレスデザイン
甲が低く、セミスクエアトゥのスタリングは、カルミナならではのエレガントさ。
イタリア靴に影響を受けたシャープさが印象的ですが、尖りすぎないそのバランスがとても上手です。
先端にはメダリオンを配置。もともとは通気性を高めるためのカントリー要素が強い装飾ですが、不思議と上品な存在感を演出してくれています。
ビジネスでも嫌味な印象を与えず、足元から格式を高めてくれるでしょう。
グッドイヤーウェルト製法を用いていますが、コバを極限まで削っており、無骨さを感じません。
英国靴のようなコバが張り出した無骨なデザインではなく、上記の工夫によって、エレガントに仕上げてしまうのは流石の一言です。
レザーソールはヒドゥンチャネル
僕が所有するホールカット レインのレザーソールは「ヒドゥンチャネル」仕上げです。
一般的なレザーソールは出し縫いの糸が外から見える「オープンチャネル」という仕上げですが、ヒドゥンチャネルは伏せ縫いにより糸を見えないようにしていることが特徴。
出し縫い糸が削れにくく頑丈で、さり気ない部分のお洒落さがポイントです。
ヒドゥンチャネルは手間のかかる技術であり、同価格帯(or カルミナより高い)の英国靴では、オープンチャネルを採用していることが殆ど。
カルミナの良心的な価格設定に魅力を感じることができますね。
先端にはトゥ・スチール(ヴィンテージスチール)を取り付けることをおすすめします。
上記を取り付けていない状態では、歩行時にトゥのレーザーが簡単に削れ、ソールの消耗を助長するほか、見栄えも大変悪くなります。
僕は、ユニオンワークス新宿店さんのトゥスチール取り付けサービスを約4000円で利用しました。
こちらは新宿のほか、銀座や青山など都内を中心にお店を展開しており、丁寧に作業をいただけるため、安心してお任せできるショップです。
グッドイヤーウェルト製法
チャールズ・グッドイヤーJr.が考案し、イギリスの既成靴を代表する製法として有名なグッドイヤー・ウェルテッド製法。
インソール底部周囲にリブ(布製テープ)を接着し、これとアッパー、ライニング、ウェルトを機械で縫い合わせた製法で、頑丈な作りを作りは勿論のこと、持ち足の足型にじっくり馴染んでいくのが特徴です。
- 長く履ける(アッパーとアウトソールが直接縫合されていないため、ソールの交換が可能)
- クッション性が高い(インソールとアウトソールの間にクッション材のコルクが入っている)
- 使い込むほど足に馴染んでくる(コルクが自分の足に合わせて沈み込み、フィット)
僕の使用用途
こちらのホールカットシューズは、トゥの先端にメダリオンが施されているものの、スタイリングとしてはかなりドレッシーよりのため、ビジネスでのみ使用しています。
グレーやネイビーなど、どんなスーツの色にも馴染みやすく、どんなスーツスタイルにも決まる一足です。
革靴好きなら一足は持っておきたい、間違いない存在の1つだと思います。
使用して約4年となりますが、コルクが十分に沈んだことで、自分の足を包み込むように馴染み、長時間使用しても疲れない履き心地です。
シューレースは、紗乃織靴紐を使用しています。
蝋引き紐独特の艶感と耐久性が魅力の一品。下記記事で詳細をレビューしていますので参考にしてみてください。
カルミーナ レイン(RAIN)のお手入れ
お手入れの方法と手順
手入れの方法や手順としては通常の革靴同様のメンテナンスでOKです。
月に一回程度、下記のシューケアを行っていただければ、靴の傷みを抑えつつ、美観を保つことができると思います。
- 馬毛ブラシでホコリを落とす
- リムーバーで汚れを落とす
- 保湿クリームで栄養を与え、馬毛ブラシでブラッシング
- 靴墨で色を入れて、豚毛ブラシでブラッシング後、クロスで磨き上げる
- ワックスでハイシャイン(鏡面仕上げ)を施す(任意)
尚、着用後は必ず馬毛ブラシでブラッシングすると、靴が綺麗な状態に保たれて、より長持ちさせることができるでしょう。
シューキーパー
保管時は、履きジワを伸ばして湿気をとるためシューツリーを入れておくことをおすすめします。
シューツリーの装着有無によって、靴の寿命が大きく変わってきます。レインのような高級靴には必ず装着しておきたい所です。
この靴には、無印良品のレッドシダーシューキーパーを使用しています。
こちらのシューツリーは機能性・価格の面で大変コスパの良いアイテムです。
以下の記事でこのシューツリーの詳細レビューしておりますので、ご覧になってみてください
カルミナ レイン(RAIN)のレビューまとめ
- レイン ホールカットは、英国つの質実剛健性とイタリア靴のエレガントさを兼ね備えた名品
- レイン ホールカットは、品質・デザインの観点で英国靴と比べてコストパフォーマンスが良い
- お手入れは月一回程度行えば、長く愛用することができる
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