センスの良いファッションのコーディネートづくりの第一歩は、多くの素晴らしい実例を見ることから始まります。
そんなときに役に立つのが、ファッション関連の書籍です。
様々な人種・年代のスタイルブックを眺めていると、ヒントがたくさん隠れています。
このコーデやアイテムのこんなところが好き、こういうところが嫌いなどと思いながらページをめくれば、少しずつ自分の好みもはっきりしてきて、どうしたいかが見えて来たりすることも。
また、実用的な解説本や他者のファッション考ももちろん役に立ちます。
今回は、メンズファッションのセンスを高めるために役立つ書籍を厳選してピックアップしました。
メンズファッションに関連するおすすめ本10選
最速でおしゃれに見せる方法
まずはどんなスタイルでも参考になる、コーデを組む上で考慮しておきたい「原則とルール」わかりやすく解説した本をご紹介します。
本書は「ドレス」と「カジュアル」のバランスを7対3に整えることによって、お金に頼らずセンスを磨くことをコンセプトとしています。
大原則は上記となりますが、それに加えて配色のポイントやアイテム別の選び方&合わせ方をロジカルに解説しています。
もしも、今のコーディネートが完璧だと思われている方も、読んでみると変更すべき点が見えてくるかもしれません。
もう一歩服装をよくしたいけれど、どうしたら良いのかわからないという方にもおすすめです。
チープシック:お金をかけないでシックに着こなす法
こちらの本は、1975年にアメリカのジャーナリストによって発行され、今尚世界中で読まれ続けるベストセラー。
「チープ・シック」とは、何も低価格のアイテムを買い揃えることを勧めているのではなく、長く使えるベーシックアイテムを軸として、マイスタイルでおしゃれを賢く楽しもうというコンセプトです。その分、無駄な買い物が減るというわけ。
本書のエッセンスを少しだけ紹介すると、こんな感じ。
- ベーシックという、とても大事なもの
- 時代を超えて存在する「クラシック」
- アンティーク
- スポーツウェア
- 民族意匠 …etc
本書はデザイナーのイブ・サンローランや雑誌『エクスワイア』のアート・ディレクターを務めたジャン・ポール・グウドのような著名人から一般人までのインタビューを通じた”お洒落考”を吸収できるのも魅力。
写真も沢山掲載されているので雑誌感覚で気になった章を読み漁れる点も本書の面白さ。
ファッションメーカーの言いなりではなく、自分自身の個性を生み出すような着こなしのヒントが溢れており、何度も読み返しても新しい発見がある名著です。
わたし史上最高のおしゃれになる!
「おしゃれの教科書」と題して、おしゃれになるための手順を明確にルール化してくれている人気本。
著者はアパレル企業の元パターンナーという経歴をもつ小林直子さん。
おしゃれになるためには、何をやるべきか、どのようにワードローブを作るべきか、5つの手順に沿って分かりやすく解説してくれています。
本書の素晴らしいところは、ファッション指南書であるにもかかわらず、「○○○の白シャツが定番」や「○○○のトレンチコートはマスト」といったように個別のアイテムを一切推奨していない点。
あくまで「一生ものの知識を身につける」ことを主眼に置き、どんな時代にも再現性のあるロジックを提示してくれているのです。
もう服えらびで迷いたくない、お洒落のセンスを体系的に磨きたいという方に特におすすめの良書です。
紳士服を嗜む
ファッション好きな男性ならば、ネクタイをキュッと絞めてきちんとスーツを着こなしたいもの。
こちらの本では、服飾ジャーナリストの飯野高広氏が、スーツについて「快適に」「かっこよく」「飽きずに大切に」専門知識を詳細に解説してくれています。
それは骨格から始まり、歴史、スタイル、仕様、生地、手入れ、コーディネートと網羅されており、まるでスーツの百科事典にも思えるほど充実した内容となっています。
スーツの着こなし方を勉強したい方、オーダースーツを注文する予定がある方に特におすすめです。
モード後の世界
「世界で2番目に地球環境に悪い産業のファッション業界」「服を買わない新たな消費者の台頭」といった社会潮流に対して、ファッション業界がその先に向かうべき在り方を提示する「モード後の世界」。
本書の特筆すべき点は、上記のテーマもさることながら、エッセイ仕立てで書かれた著者のお洒落に対する考え方が示唆に富む内容ばかりであること。
それもそのはず。著者の栗野宏文さんは、UNITED ARROWの創業者の1人で日本のファッション業界を牽引してきた1人。
服を買う時の心構えや、ファッションの果たすべき役割、その面白さといった内容を栗野さんの独自の解釈で紐解いており、なるほどと思うことが散りばめられています。
その他にもUNITED ARROWSの仕事についてや、日本と世界のファッション近代史等にも触れられており、読み物としても楽しめますよ。
着るか着られるか
時代を超えて読み続けられる、メンズファッションの伝説的バイブル。
イラストレーター穂積和夫氏が今から半世紀前に書かれた本書は、スーツ、ジャケパン 、ポロシャツ、ベルト、靴、ネクタイ、ハンカチといった大人のファッションに欠かせないアイテムとその着こなし方を懇切丁寧に教えてくれます。
エッセイ体で書かれた穂積氏の文章も軽快で心地良く、ダンディズムの精神を学べる一生使える最高の教科書です。
ちぐはぐな身体―ファッションって何?
「ファッションって何?」という説いに、哲学者である鷲田清一氏がわかりやすく答えてくれる本。
中高生の制服の着崩しやタトゥー、「コム デ ギャルソン」や「ヨウジヤマモト」などから身体論を説く名著です。
ファッションに対する見識を深めたい方におすすめの良書です。
メンズウェア100年史
20世紀初頭からメンズファッションの様々なジャンルを写真で総覧できるルックブック。
デビィッド・ボウイ、フレッド・ペリー、カストロ、チェ・ゲバラ、ジェームス・ディーン、マーロン・ブラント、ビートルズ、エルビス・プレスリー、ジェフ・ベック、ジミ・ヘンドリックス、その他多くの著名人の写真で構成されており、メンズウェアの歴史をビジュアルの洪水の中から自然と吸収できる名著。
TAKE IVY
ファッション書籍の古典として君臨する1965年に発行された「Take Ivy」の復刻版。
アメリカ北東部にある8つの超名門大学で流行したアイビーファッション。当時のキャンパスで撮影された学生の服装はどれも魅力的で古臭さは微塵も感じさせません。
アイビーファッション復権の昨今において、そのエッセンスが学べる最高のバイブルです。
Men in this Town
シドニーを拠点とするライターのジュゼッペ サンタマリアが世界中を旅しながら、大都市のストリート ファッションを撮影し、群集の中で際立っている男性を記録したルックブックです。
撮影場所は、シドニー、ニューヨーク、東京、ミラノ、ロンドン、パリ等の大都市。
様々な国・様々な人種の男性のスタイルは、その時点での「トレンド」的なアイテムを並べているわけでは無いのですが、選ばれる写真はどれも雰囲気があり、鮮やかに映っています。
普遍的なファッションへの情熱や、服がその人に与える誇りや自信といったポジティブな側面をビジュアルで味わえるでしょう。
決まりきったルールやノウハウを得るのは難しいですが、ファッションの可能性を広げてくれる名著だと思います。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、メンズファッションに関するおすすめの本をご紹介しました。
ファッションの基本をザックリ学ぶなら、「チープ・シック: お金をかけないでシックに着こなす法」「わたし史上最高のおしゃれになる!」の2冊がおすすめです。
これを読んで基礎を固め、他の本で知識を付け足していくと良いと思います。
ファッション関連の書籍や月刊誌、ムックなどは毎月たくさん出版されていますので、自分自身の好きなスタイルが見えてきたら、お気に入りの書籍を何度も読み込んでみましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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